吉野材の話
恵まれた気候風土のなか、卓越した先人の林業技術と愛情に育まれた日本一の材質を誇る吉野の美林を背景に永い歴史の中で、吉野の先人たちが研究の集積により創造され、態形化されたのが吉野杉・吉野桧の人工林育成の技術であり、日本における基本的な林業なのです。
吉野材の最大の特長は 芯が円心にあり曲がりが少なく年輪巾が細かく均一であり、強度が高く、そして色艶が良い。そのための方法として、次の内容が挙げられます。
植林
恵まれた気候や土壌と、幾世代にもわたる技術開発努力の結果1ヘクタールあたり8000本~12000本という、高密度の密植を行うことで年輪巾が細かくて均一な材を育成しています。
密植
山に苗木を植える本数は、1ヘクタールあたり8000本~12000本という極めて密度の高い植栽を行う。
一般的な植林
一般的な植栽は、1ヘクタールあたり3000~5000本といわれています。
下草刈り
雑草から苗木を守るために、植林してから5年くらいの間行います。
伐採
吉野の山は海抜300~800mと、杉・桧の育成には最適な地形であり、年平均気温14℃、年間降雨量2500mm、積雪は年数回で50cm以下、風害は希少で、気候もまた杉・桧には最適です。
吉野の山と木に人生を傾け、幾多の風雪に耐え年輪を重ねた杉・桧を、今日も送り出しています。
枝打ち
外形を丸く、芯を中心に、まっすぐで先細りが少なく節の少ない良材をつくり、順調な育成を促すためにかかせない作業です。
間伐
良質で年輪巾が均一な材をつくり出すために、どんどん間引きをします。
伐採
伐採時期は、杉の場合7月~8月、そして11月~12月。桧の場合は3月~4月、7月~12月で、特に桧の材質の特に良い物は、10月~11月に行っています。立派に育てられた森林から、木材を切り出されます。
葉枯らし
伐採現場で木材を予備乾燥させる処理の事です。
主に杉の木に行います。 杉は伐採直後は株から樹液が流れ出てくるほど水分を多く含んでいます。 そのため、伐採現場で根株を切り離したら、枝葉を付けたまま穂先を山側に向かって倒し、6ヶ月前後放置しておきます。 そうすることによって枝葉を通して水分を発散させ、自然乾燥をある程度施しておきます。
材質の低下を防ぎ、又、重量を軽くすることにより出材作業の負担軽減(出材コストの低下)をねらいます。
運搬
木材の市場や製材工場などへ運ばれわたしたちの生活に役立つ木材として使われます。
ヘリコプターにより搬出
吉野材の山からの搬出は、トラック積みの出来るところまでヘリコプターが活躍しています。
100年生、200年生の良質材を、無傷で出荷するためにとられている方法で、吉野でしか見られない状景です。
トラックに積み込んで運搬
ヘリコプターによって出された木材を、市場までトラックに積み込み運搬。
昔の運搬
いかだ流しやトラックでの輸送が中心でした。
原木市場
切り出された丸太は原木市場に運ばれます。
この木材から家の材料が作り出されていきます
製材業者が丸太の断面、表面から木材の品定めをして、欠点や節などの状態を把握し セリ によって競売します。
製材
皆さん製材所を知っていますか?辞典を見てみると丸木から角材や板などを作る所となっています。別な言い方をすれば、丸太から住宅用部材(柱、鴨居、等)を作っている所です。日本には、家内工業クラスから大規模工場にいたるまで、また内地材(日本産)から外材を扱っていることろまで沢山の製材工場があります。その中でここ吉野では、良質材とされている吉野杉、桧を製材している工場があります。
製材用途別に分類
原木市場などで仕入れられた丸太は樹種や「径級」、「長さ」、「材質」に応じて分類されて製材されるまで少しでも乾燥するように原木を桟積みしておきます。を基本に建てていく2×4だから、柱のない開放感溢れる空間が可能になります。このように自由な発想でデザインができるのも、2×4ならではです。ご自身のイメージをとことん追求してみてはいかがでしょうか。
皮むき工程
皮は、昔は色々な所に使用されました。現在は、人件費の面で機械で皮むきしますが、それでも、それを必要とする業者を探してくる人もいます。
送材車と呼ばれる機械で丸太を製材する
その木材に最も適した製品にするための木取りをします。ほとんどの製品は一度大きめに製材して、乾燥後曲がりを修正挽きします。製材するときには丸太からどのような大きさの材を取っていくか、またどのような木目を取るかが職人の腕の見せ所です。
木取り
木取りは熟練した職人の技。
乾燥させる(天然乾燥)
大きめに製材された木材の水分を、ある一定値以下にすることで、ねじれや反りを抑えることができます。そのため、天日に干して乾燥(天然乾燥)させます
乾燥させる(人工乾燥)
今では特殊な機械で木材の水分を抜き乾燥(人工乾燥)される方法もあります。
修正挽きし寸法を仕上げる
乾燥後に大きめにしておいた木材を、割れや曲がりを修正挽きし、製品に仕上げていきます。送材車で製材した割り物を竿縁や廻り縁と呼ばれる造作材とするためテ-ブルと呼ばれる機械で製材する。
仕分け、格付け
修正挽きされた製品を、寸法や品質、節の有無により用途に合うかどうか検品をして、ランク付けの必要な物は選別格付をする。
検品
修正挽きされた製品を、寸法や品質、節の有無により用途に合うかどうか検品をして、ランク付けの必要な物は選別格付をする。
等級に応じて梱包や結束
選別された製品を寸法、等級、色や杢目を揃えて梱包や結束します。
販売
木材製品市場である吉野材センターに製品は集められ、柱や鴨居、フローリングなど、木材に関する様々な商品を販売しています。
セリ売り
木材のプロの問屋さんが商品の品定めをして、魚や野菜と同様、競り(せり)によって行われます。